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南海工業 2代目社長(現会長)伊勢 雄太に聞く
REPAIR FOR GOOD History
南海工業の歩み
創業より改修工事専門で取り組んできた

南海工業は、私の父が沖縄より上京し、創業した会社です。沖縄の嘉手納基地の防水工事を手掛け、大きな利益を得た父は東京に単身赴任し、土木会社に勤めていたのですが、その会社の経営が傾いたことを機に自身の会社を開設します。1963年のことです。従事していた土木工事は大がかりな資材や設備を必要とするため、技術を主体とする防水工事のプロ集団としてスタートしました。 

当時は高度経済成長期の真っただ中でコンクリート建造物が増大、都心周辺にもニュータウン、ベッドタウンが次々と誕生していました。新築したコンクリート建造物も10年以上経つと劣化が進み、屋上の防水対策、外壁の塗り替えといった改修工事の需要が本格化します。私は24歳のときに父の事業を引き継ぎ、旧・日本住宅公団(現・独立行政法人都市再生機構=Urban Renaissance Agency UR都市機構)から依頼を受け、東京・桜上水、石神井や千葉・花見川など団地の屋根の防水工事などを手がけ、事業を拡大させていきました。その後、公共工事のみならず、民間工事も受注するようになり、バリアフリー工事や各種設備交換工事などまで業務を拡大、改修工事の技術やノウハウを着実に積んでまいりました。

1990年代、バブル経済が崩壊したのち、当時の建設省が建築物の耐久性向上を唱え始めます。1997年12月、国際協定としての京都議定書を受けて、二酸化炭素や温室効果ガスの削減が課せられ、日本のコンクリート構造物の耐用年数を欧米並みに延ばしていこうという気運が高まりました。 スクラップアンドビルドの時代が終わると、改修の仕事が増え、市場が拡大します。そんな時代や市場の流れをとらえ、当社も一つの建物に対して計画的に改修を行う大規模修繕工事を主力事業に展開することに。改修専門会社として施工管理技術力と技能力を発揮し、お客様の大切な財産である建物の資産価値を高めることに全力で取り組むようになりました。特に改修工事は居住者様が生活を営まれている中での作業になりますので、できるだけ負担が少なく、安心して過ごしていただけるよう、現場代理人の教育に努め、各方面から高い評価を頂戴するようになりました。  

建物を守ることは、環境を守ること

日本は2020年10 月に2050 年までの脱炭素社会の実現を宣言。また、2021年5月には脱炭素社会の実現を基本理念として規定する改正地球温暖化対策推進法が成立しており、企業として二酸化炭素の排出量削減に向けて、あらゆる努力を行っていくことが求められています。

二酸化炭素というとガソリン車の排気ガスを思い浮かべられる方が多いかもしれませんが、実は石油などの化石燃料を燃やしてエネルギーを消費することが二酸化炭素の排出量を増加させている主要因となっていて、製造工場などの産業部門が突出しています。なかでも建築業界の新築・運用・改修に関わる二酸化炭素排出量の割合は非常に高く、脱炭素社会の実現に対する建設業界の責任は重いと言えるでしょう。製造段階で多くの二酸化炭素を排出するコンクリートや鉄、セメントなどを建築資材として用いる新築工事、そして建物の建て替え時には取り壊した建築資材が廃棄物となり、その処理が環境負荷につながります。新築や建て替えではなく、改修して建物を長寿命化することで、二酸化炭素の排出量、使用する資源量、廃棄物量は各段に小さくなります。

改修工事で未来をクリエイトする

首都圏には旧住宅公団により分譲された団地が点在しており、様々なニーズに対応できる住環境へ再生し、有効活用できるような取り組みが行われています。特に中層階段室型住宅は空き住戸や高齢者が多く、エレベーターの設置など、単純な修繕やリニューアルでは対応できない問題が発生しています。建物の老朽化や居住者の高齢化によって居住者が減り、修繕に必要な資金が集められないと、修繕や改修ができないまま建物がさらに劣化して、空き家が増加、スラム化が進む…という悪循環に陥ってしまいます。 基本理念として規定する改正地球温暖化対策推進法が成立しており、企業として二酸化炭素の排出量削減に向けて、あらゆる努力を行っていくことが求められています。
私たちは、そこをどうやって改善していくのか、真剣に考えなくてはいけないと思います。建築物は、時代や将来のライフスタイルの変化に対応できるよう、長く使えるように計画することが重要です。
修繕や取替えなどの必要性があるものに対してはあらかじめ未来の改修工事を想定し、環境負荷もコストも抑える工法で、建築物の機能を維持することが可能となります。
時代の変化に応じた大規模修繕、改修工事は今後ますます重要視され、当社が長年、改修工事専門で歩み培ってきた「長く使える仕様」「改修・メンテナンスのしやすさ」「資源のサステナブル化」などのノウハウを発揮する機会もさらに増えていくことが予想されます。

当社が誇るノウハウを受け継ぎ、さらに発展させていくためにも、今後若い人材の育成は欠かせないと考えています。昨今、建築業界の若者離れが問題視されていますが、その原因の一つとして、業務に創造性を感じられないことが問題ではないかと思います。古い建築物を生まれ変わらせ、若い世代の住人を呼び込み、建築物の長期的な魅力向上につなげていく。そのためには住まう人のライフスタイルや建物の機能、地域性など、あらゆる条件を加味しながら、構想を組み立て、発想をカタチにするクリエイティブな能力が必要です。当社における改修工事においても、未来を見据え、自社の社員の創造性を満たしながら、お客様の要望をプロとして提案してまいりたいと思います。
地球環境保全に寄与しながら、社会環境の変化にいち早く対応した提案型改修工事専門会社として、暮らしに関わるあらゆるご要望にお応えできるようめざしてまいります。

南海工業株式会社 会長伊勢 雄太
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